2026年5月29日(金)

まんしゅう母子地蔵尊

東京都台東区浅草2-3-1 浅草寺境内

地蔵

わたしが初めて第二次世界大戦終戦後の満州からの引揚者の話を聞いたのは、赤塚不二夫からではなかったか。もちろん本人から直接聞いたわけではなく、テレビのインタビューかドキュメンタリーの番組だったと思う。

碑

引揚者たちを乗せたすし詰めの列車が荒野の真ん中で止まると乗客が用を足しにばらばらと下りてくる。臨時停車なのですぐに出発してしまうのだが、人に見られたくないからと列車から少し離れたところまで行っていた女性が乗り遅れてしまった。赤塚少年は何もできず、泣き叫ぶ女性を見送るしかなかったという話が強く印象に残っている。

彼のほかにも漫画家には引揚体験者が多い。当事者ならではの説得力ある内容を、臨場感あふれる絵とユーモアを交えて残した作品が多く発表されている。目にしたくないような悲惨な内容が含まれていても、マンガの力がうまく伝える助けになっている。

浅草寺境内にあるまんしゅう母子地蔵尊は、そんな引揚者たちの体験を慰め、後世に伝えていくために建立されたものだ。「あしたのジョー」などで知られるちばてつやがデザインし、「丸出だめ夫」の森田拳次が由来碑に文を寄せている。

母子地蔵建立の由来 | 各国語解説