2017年5月6日(土)

ゾウのはな子の像

東京都武蔵野市吉祥寺本町1-15 吉祥寺駅北口駅前広場

ゾウのはな子

上から読んでも下から読んでも、「そうのはなこのぞう」。下から読んだら「うぞのこなはのうぞ」だなんて、細かいことは言わないでね。象と像も似てるでしょ。

吉祥寺の駅前に、昨年亡くなったゾウの花子の像が建ったというので見に行ってきた。

人だかり

ゴールデンウィークの吉祥寺はどこも人で一杯だ。そのなかでもひときわたくさんの人が集まった輪の中で、はな子がうれしそうに前足をあげて挨拶をしていた。

まだパンダやコアラが日本に紹介される前の動物園で、一番人気はゾウだった、たぶん。詳しい資料に当たったわけではない、あくまでもわたしの感覚だけの話だが、童謡に「ぞうさん」はあっても「きりんさん」は無かったし、絵本なら「ぞうくんのさんぽ」や「ぐるんぱのようちえん」が人気だった(※)。ぬいぐるみにして抱っこしたいような姿形ではないのに、長い鼻をぶらんぶらんとさせる姿は愛嬌があって好かれていたよね。

戦後、娯楽に飢えていた時代にタイからはな子、インドからインディラ(1949、上野動物園)、ウメ子(1950,小田原城址公園)が相次いで贈られて、日本中に明るい話題を提供してくれたことも影響していたのだろう。そんな昔を知らない今の子どもたちは、イヌやネコ、ウサギやパンダが好きらしい。そういえば、心なしかはな子像の周りに集まっている人の年齢層が高いような気がする。

お披露目直後の、一時の喧騒が去った後には、子どもたちが集まって遊んでくれるといいな。

※ 「ぞうさん」 まど・みちお 作詞 / 團 伊球磨 作曲(1951)

※ 「ぞうくんのさんぽ」 なかの ひろたか 作・絵 / なかの まさたか レタリング(福音館書店、1977)

※ 「ぐるんぱのようちえん」 西内 ミナミ 作 / 堀内 誠一 絵(福音館書店、1965)

説明板 | ゾウのウメ子