天使の待伏せ
東京都中央区銀座4-3-9(銀座天賞堂)

銀座の街角でかわいいキューピッドを見つけた。建物の陰から半分だけ顔を出して路地の奥を窺っている。

どうやらまだ恋人になれていないカップルを捜しているらしい。獲物を狙う顔つきは真剣そのものだ。
午前中の銀座はまだ人通りもまばらで、カップル候補はなかなか現れない。やっと現れた二人連れは仲睦まじく、もうキューピッドの手助けは必要ない感じだ。
なんならわたしが撃たれてあげてもいいよ、と声をかけてみたけれど、小さな背中はぴくりとも動かず全く振返るそぶりも見えなかった。
天使の作者は彫刻家の山田朝彦。1997年からずっとここで、カップル候補が通りかかるのを待っている。
※ 2019年4月に店舗が移転し天使も移動しましたが、2023年にまたお店と一緒に戻ってきました
