高屋敷稲荷神社
福島県郡山市白岩町高屋敷277-2
奉納された鳥居が参道にずらりと並ぶ、いわゆる千本鳥居を初めて見たのは、京都の伏見稲荷だったか、鎌倉の佐助稲荷だったか。半世紀近く前の大学生の頃だった。
当時は、どこまでも鳥居が続く薄暗い無限回廊の妖しく神秘的な雰囲気に魅力を感じていたように思う。このまま進んでいくと異界へと導かれてしまうのではないかとドキドキしながら歩いた覚えがある。
SNS流行りの今は、真っ赤な鳥居の列が緑の山や青い空あるいは海に映える外から見た明るいイメージに人気があるようだ。山口県の元乃隅神社などが知られていて、わたしの行きたいところリストにも入っている。
三春の滝桜を見た帰り道、郡山にも千本鳥居の神社があると聞いて寄ってみた。さすがに千本は無いが無数の奉納鳥居の列が表参道にも裏参道にも続いている。戦前は約4,000基もの鳥居が2km以上離れた舞木駅まで続いていて、雨の日も傘がいらないと言われていたそうだ。
参道の長い階段を登りきって振り返ると、郡山市街を一望に望む絶景が見えた。