2025年7月26日(土)

東日本大震災津波の記憶を風化させないために4年ごとに建て替えをする木碑

岩手県上閉伊郡大槌町安渡3-8-8

木碑

今回の旅では、行く先々で東日本大震災の慰霊碑・記念碑と共に、明治29年と昭和8年の津波の記念碑も数多く目にした。それほどに津波被害の多い地域なのだ。

安渡地区

そのために、過去の教訓を生かして被害を最小限にとどめることが出来たという話がある一方で、せっかくの言い伝えを軽んじて被害を大きくしてしまったというようなこともあったようだ。

教訓を伝える石碑は長く残るけれど、それがためにそこにあるのが当たり前の景色の一部となってその意味を忘れられる恐れがある。「海嘯記念碑」のように昔の言葉では伝わらないということもあるかもしれない。

ならばあえて朽ちやすい木にして、神社の式年遷宮のように定期的に建替えることによって記憶を新たにし後世へ伝承していこう、というのがこの木碑の趣旨だ。

震災から2年後の平成25年(2013)に建てられ、4年毎に更新されて今春4代目に建て替わった。

立派なメモリアルパークや伝承館ももちろん大事だが、こうした日常生活に溶け込んだ祈りと伝承が大切な命を守って行くのだとしみじみ思った。

碑 文