とど供養碑 / 鮭供養塔
岩手県釜石市両石町第3地割
釜石から北へ国道45号を上り長い鳥谷坂トンネルを抜けた先に、漁港を望んで建つ二基の石碑を見つけた。
津波の慰霊碑かと思って寄ってみると、「とど供養碑」「鮭供養塔」と書かれている。
釜石駅周辺でサケのポストやモニュメントなどを見て来たので「鮭」は想像の範囲内だったが、「とど」には意表を突かれた。
トドはアシカ科最大の海獣で、漁場を荒らし網を破って漁獲物を奪ったりすることがあるので「海のギャング」と呼ばれている。そのためこの地域では明治の中頃までトド漁が行なわれていた。害獣とは言え、食用などで生活の糧となっていたのでその供養碑なのだ。
今も北海道では漁業被害があり駆除対象とされているが、一方で環境省のレッドデータブックでは準絶滅危惧種に指定されており、駆除頭数には制限が設けられている。
津波の慰霊碑は、1kmほど先の、恋ノ峠手前の谷を越えるヘアピンカーブの内側に明治と昭和のものがひっそりと建っていた。