2025年8月25日(月)

原爆犠牲米軍人慰霊銘板

広島県広島市中区基町12-8 宝ビル

銘板

広島県庁の南側、表通りから一本中に入った裏通りに面したビルの通用口の脇に、祭壇のように飾られたモニュメントがひっそりと佇んでいる。

英文で「旧中国憲兵司令部跡」と題された銘板には、続けて、ここに捕虜として収容されていた米兵も広島に投下された原爆によって亡くなったことが記されている。

これは、自身も被爆者である森重昭さんが個人の力で被爆した捕虜について調べ、その慰霊のために設置したものだ。彼の調査によれば12人の米兵が犠牲になったとされている。米国政府は長らくその事実を認めてこなかったが、2016年に米国のオバマ大統領が広島を訪れた際にはスピーチの中でそのことに触れ、慰霊碑の前で彼と抱擁したことが話題になった。

銘板の下に貼られた新聞記事には、尋問のため東京に移送されていて被爆を逃れた捕虜の一人が1999年に広島を訪れ、原爆で親しい者を失った数少ない米国人の一人として「広島の人の痛みは私の痛み」だと語ったことが記されていた。

慰霊銘板(英文)