琵琶をひくネコ
東京都墨田区錦糸1-2-3 すみだトリフォニーホール

すみだトリフォニーホール1階の入り口は、北向きでしかも車寄の上に建物が覆いかぶさっているので、洞窟のように暗い。その暗がりの中で琵琶らしき楽器を持った猫が目を光らせている。平家の亡霊を呼び寄せる琵琶法師みたいな雰囲気だ。

しかし目がおかしい。暗いところなら目は丸くなるはず。作者は屋外に置かれることを想定して明るい陽射しの下で縦に細くなった目にしたのだろう。
そう思って見るとギターを持った悪ガキっぽい表情にも見える。Stray Catsというロカビリー・バンドを思い出す。
もう一つ思い出すのは、その名も「猫」というフォークグループが歌った「雪」(吉田拓郎作詞・作曲、1972)の一節。
♪振り向いたあなたの瞳は 早くおかえり坊やって言ってた
当時まさに中二病真っただ中だったわたしは、そんなことを「おねえさん」に言われたらどうしようとドキドキしながら、深夜のラジオを聞いていた。洋楽を聞き始めた頃でもあったので、こんな風にギターを抱えて粋がった自分を想像したりもしていたな。
暗がりの中でわたしの妄想はあちこちに飛び火ながら広がっていく。
(キャプション) 琵琶をひくネコ | VILLA HUMADA
