禅 林 街
青森県弘前市西茂森
弘前城の裏鬼門に当たる西南の方角に禅林街という寺町がある。
ここに集められた33の寺院すべてが同じ曹洞宗であることから「禅宗のお寺が林のように並んでいる街」というのがその名の由来だ。同じ宗派だけで形成される寺町は全国的にも珍しく、禅林三十三ヶ寺とも呼ばれている。
鬼門を守るという宗教的な意味合いと共に、有事には砦として転用できる大きくてしっかりとした造りの建物によって城を護る防衛線を築くという戦略的な役割を担っている。
東の入口に位置する黒門の手前にある桝形が、ここが重要な軍事拠点であることを物語っている。
ほかの観光地で寺町が「小京都」と呼ばれているような風情は無いけれど、禅宗らしい質素で落ち着いたたたずまいが心を和ませる。
黒門から西奥の長勝寺まで一直線に延びる上寺通り(長勝寺構え)に、別の意味で林となって並ぶ杉並木も見事だ。