2025年8月8日(金)

三内丸山遺跡

青森県青森市三内字丸山305 三内丸山遺跡センター

シンボル

1990年代に青森県で縄文時代の大規模集落跡の遺跡が見つかったというニュースを聞いた時はうれしかった。それまでに知っていた古代文明は、邪馬台国をはじめ出雲や大和(近畿)などどれも西のものばかりだったからだ。

全景

単にわたしの勉強不足のせいではあるのだが、坂上田村麻呂の東征や平将門討伐、源頼朝による奥州征伐など西の政権から見た征夷の歴史ばかりを聞かされてきたので、関東以東(以北)の地域は古代においてはアマゾンの奥地のような未開の地であったと失礼なことを考えていたのだ。

三内丸山遺跡のシンボルとして知られる三階建ての大型掘立柱建物を見た時には、裸の原始人がウッホウッホと言いながら暮らしていたとマンガのようなイメージを抱いていた自分の不明を大いに恥じるとともに、東にも西国に比肩する文明が栄えていたことを誇らしく思った。

もちろんこんな大型のビルは特別な建物で、実際には小さな家がぽつりぽつりと点在する集落でのどかな人々の暮らしが営まれていたことだろう。復元された家々の上には青く澄んだ空が広々と拡がっている。その風景はわたしを、なんだかとても穏やかで豊かな気持ちにさせる。

長い歴史の中でわたしたちはたくさんのものを得たけれど、この広い空は失ってしまった。それは寂しいことだなと、ふと思った。

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