2025年10月17日(金)

こもれび

東京都武蔵野市吉祥寺北町3-3-1 成蹊大学正門前

こもれび

植え込みにぽっかりと開いた穴の中に水鳥の姿が見える。ここは池という見立てなのだろう。池の畔、緑の小山の向こうから少女の顔がのぞいている。

少女

その少女はマントにすっぽりとくるまれて静かに座っていた。

少しうつむいた彼女は何を思っているのだろうか。こんなにワンパターンでいいのだろうかと思うほど山元正道の作品はどれも似通っているけれど、作品になった少女たちの思いはみな違っているはず。海を渡って行ってしまった友達のことを思っているのか、思い出の中の景色を懐かしんでいるのか。

目の前の像ではなく、少女たちの胸の内にあるその目に見えないイメージが彼の作品なのだと思う。

設置の趣旨