旧古河庭園
東京都北区西ヶ原1-27-39
以前は、初春の梅に始まりコブシ・モクレン、カタクリ、桜、花菖蒲、アジサイ、…と途切れることなく咲く花々を追いかけて忙しく自転車を走らせていたものだったが、最近はその勢いがなくなってきた。
都内の名所はあらかた回ってしまったからという言い訳はあるものの、タモリが言うところの花鳥風月の順番が花の時期を過ぎてしまったのかもと思ったら少し寂しくなって、旧古河庭園のバラを見に行ってきた。花の女王とも呼ばれるゴージャスな薔薇の花を見れば、爺むさい気分を吹き飛ばせるかもしれない。
しかし、年寄りのすることはいつもタイミングがずれている。残念ながらバラは盛りを過ぎて遅咲きの花がわずかに残るばかり。それでも洋館を背景に西洋由来のバラが咲く日本離れした景色を見て、少し若返ったような気がした。
ここは和風庭園も素晴らしい。近代日本庭園の先駆者とされる庭師・小川治兵衛が手掛けた庭を回っているあいだに、バラを見て華やいだ気分が静かになっていく。紅葉の頃また来てみようかなと思ったのは、やっぱり年相応ということなのかな。
ここは古河邸になる前は明治の政治家・陸奥宗光の邸だった。鶯谷に住宅用の洋館としては東京最古とも言われる旧陸奥宗光邸が残っていると聞いて帰りに寄ってみたのだが、こちらもタイミング悪く工事中だった。解体ではなく補修のように見えたので、文化財として保全する計画が進められているのかもしれない。